視細胞の分化に成功
理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの網膜再生医療研究チームは、世界で初めて網膜色素変性症の患者の皮膚から、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り、視細胞を分化することに成功した。
網膜色素変性症とは中途失明の三大原因の一つとされる遺伝性、進行性の難病である。主な症状は光を受け取る網膜上の視細胞が機能を失い、視野が徐々に狭くなっていく。厚生労働省により特定疾患に指定されており、現在全国で約2万5千人が治療中だ。
根本的な治療法確立に期待
研究チームは2008年、ヒトiPS細胞から視細胞を作製した。この技術を応用し、先端医療センター病院の患者の皮膚を基に、このほど視細胞の作製に成功。現在、原因遺伝子の分析を進めている。
視細胞の分析から、同症の原因遺伝子の働きが解明できる可能性がある。今後の研究が同症の根本的な治療法につながることが期待される。

理化学研究所発生・再生科学総合研究センター
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