信号が変わってきたことに起因
九州産業大学の、落合太郎・芸術学部デザイン学科教授が開発した「LED車両専用道路交通信号灯」は、色覚障がいをもつ人にとって、色の判別がしやすい信号となっています。
現在・そしてこれから新しく設置される信号は基本的にLED信号となりますが、このLEDを用いた信号は色の判別が難しい色覚障がいの人にとって、これまでの電球式と比べてより一層判別がつきにくくなるそうです。
(画像はイメージ)
色覚障がいの人たちはこれまで、電球式信号では色で判断していたのではなく、
信号機の明るさの違いで見分けてきました。が、LEDの場合はどの色も明るさの違いがないために、明るさの識別が困難となってきたのです。
ひと工夫くわえた信号・ユニバーサルデザイン
色覚障害の中でもっとも多いのは、赤系統から緑系統への識別が難しいとされる症状です。そこで落合教授は、
赤色灯器を構成する約200個のLEDの配列に青よりの波長をもつLEDを×印に配列することにより、健常者には気づかれないが色覚異常者にはストップの意味の×印が、より明確に判別可能
という技術を生み出したのです。
通常の人には赤と紫は類似色のため、遠目には「赤信号」と見えますが、色覚障がいの人は青い色に敏感に反応するので、赤部分は黄色っぽく見えてしまい、黄色信号と誤認してしまいそうになりますが、バツ印部分は青色に見えるので、その信号は「バツ」。すなわち赤信号であることが分かる仕組みです。
「LED車両専用道路交通信号灯」が全ての人にとってやさしい光となり、これからの交通安全に役立って欲しいですね。

LED車両専用道路交通信号灯(PDF)
http://www.kyusan-u.ac.jp/J/kenkyu/seeds/1617.pdf