3D時代の幕開けと、健康不安
専用のメガネで3次元映像を楽しむことができる3Dテレビが、日本でも4月以降発売されていますが、3Dは従来の画像より3倍以上も目が疲れる人が出たとの実験結果もあり、健康上の不安の声が上がっていますが、メーカー側は「取扱説明書の注意事項を守れば問題はない」と結論付けています。
しかし1月11日づけのロイターによると、米の眼科専門家が新しい知覚経験(3D)が脳に負担となり、頭痛が起きやすいリスクがあるといった意見を報じました。
パソコンより目の疲労が深刻
15年前に行われた、当時の金沢工大の河原哲夫教授(感覚・運動情報システム)の実験結果では、眼球の左右上下を調節する能力が明らかに落ちこみ、条件によっては映像を確認するまでの時間が実験前の1.4倍もかかったとのことです。
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iandeth's photostream(画像はイメージ)
また、サムスン(韓国)のオーストラリア支社はサイト上で、視力が発達段階にある子どもは影響を受けやすいとして、保護者が視聴時間などを制限すべきだと注意を呼びかけています。そしてパナソニックも同様に、子供の使用については視聴年齢を5~6歳以上を目安とするようにとしています。
大人も注意が必要ですが、子供の使用には懸念材料が多く感じられます。
姿勢にも注意をはらって
電子情報技術産業協会など4団体は2010年4月19日に、安全ガイドラインを発表し、寝転がった姿勢で3Dを見ると目が疲れるなどの事柄をあげ、目を水平にして見るよう呼びかけています。寝転がると、左右の目に映る映像のひずみが大きくなるためだということです。
取扱説明書の注意事項を守ったうえで視聴し、目や健康にどのような影響があり、そして今後の使用はどうするかをよく考えるのが視聴者側の課題となりそうです。
電子情報技術産業協会パナソニック(ビエラ)