老眼は自然な老化の現象
人間に最も近い類人猿である野生ボノボの老眼の進行が人間と非常に似ていることを、京都大学霊長類研究所博士課程の柳興鎭(Ryu、Heungjin)と同研究員らが発見しました。7日、生物学の論文を取り上げている学術誌Current Biologyで発表しています。
老眼は読み書きなど目と近い距離でする作業が原因と言われていますが、実際には老眼とは関係がなく、自然な老化の現象だと考えられます。
ボノボと人間 老眼のパターンが同じ
人間は年齢が進むと眼球レンズの屈折力が低下し、焦点を合わせるために目と見る物の距離が増えていきます。研究グループはボノボが毛繕いするときの目と指の間の距離を、デジタルカメラと巻尺を使って測定しました。
その結果、40歳を前後に目と指の距離が増加していき、その増加のパターンが人間とほぼ同じであることを発見したのです。対象にしたボノボは京都大学が40年以上研究を続けており、年齢が特定できるボノボです。
野生のチンパンジーにも老眼がある事例はありましたが、定量的に分析し人間と比較した研究は今回が初めてす。この研究を通じて、人間の進化を理解するには長期に霊長類の調査を行うことが重要であるとしています。
(画像はプレスリリースより)

京都大学 ニュースリリース
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