網膜色素変性の治療薬開発
株式会社アールテック・ウエノは現在治療薬のない難病である網膜色素変性のUF-021点眼液の臨床試験について発表した。
全国6施設(弘前大学、岩手医科大学、千葉大学、順天堂大学、宮崎大学、わだゆうこ眼科クリニック)において患者112名の協力の下試験が行われ、109例(プラセボ点眼群33例、UF-021 1回1滴群38例、UF-021 1回2滴群38例)で有効性が評価された。
網膜色素変性とは遺伝性の疾患で、国内では4000~8000人に一人の割合で発症するといわれる難病のひとつである。進行すると薄暗いところでものが見えにくくなるなどの進行性の夜盲や視野狭窄、視力低下を招き、末期には高度の視力低下あるいは失明にいたることもある。現在、適切な治療薬や治療法は確立されていない。
早期承認取得を目指す
同社代表取締役社長であり眼科専門医の真島行彦氏は次のように語った。
私は眼科医として昔から多くの困っている網膜色素変性の患者様を診察してまいりましたが、網膜色素変性は未だに治療薬や治療法が確立されていない難病です。そのため、世界に先駆けアンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされていない医療ニーズ)の治療薬を開発したいと考え、アールテック・ウエノに参加(2005年4月)直後から網膜色素変性の治療薬の開発を計画しました。2008年にUF-021点眼液 (製品名 オキュセバTM)の第1相臨床試験を終了し、この度、ご協力頂いた患者様やご参加頂いた施設の皆様のご尽力により、今回の第2相臨床試験により中心部網膜感度が悪化する患者様の数を有意に減らすことができたとの結果が得られたことは大変嬉しく思います。今後は網膜色素変性の患者様のために治療薬の早期承認取得を目指してまいります。海外においても、網膜色素変性の治療薬の早期提供を目指すとともに、今後は米国において失明原因の1位である加齢性黄斑変性に対しても、提携先の米国スキャンポ社とアンメット・メディカル・ニーズの治療薬として臨床開発を考えております。

株式会社アールテック・ウエノ
http://rtechueno.com/