除染作業に大きく貢献する蛍光プローブ
独立行政法人 物質・材料研究機構は12月20日、
放射性セシウムがある場所を目で見えるようにする薬品を開発したと発表した。
福島第一原子力発電所事故による、広範囲に及ぶ放射性物質の汚染がね深刻な問題となっている。そのなかでも、放射性セシウム(セシウム137)は半減期が30年と長い。今回の開発は、放射性物質の除染作業の効率化に、多大な貢献をすると期待される。
mm単位でセシウムを可視化
物質・材料研究機構の
国際ナノアーキテクトニクス研究拠点のメンバーなどから作られた研究グループは、鎖状につながり、セシウムイオンをと取り囲んで発光する分子(蛍光プローブ)を開発した。
蛍光プローブを溶かしたアルコールを、セシウムを含む土壌に噴霧して紫外線を当てると、セシウムに汚染された箇所だけが緑色に発行する。このため、セシウムに汚染された箇所だけを効率的に除去できるので、汚染廃棄物が大幅に削減できる。
セシウムの分布はミリメートル以下の細かい箇所まで特定でき、土壌1キロにつき放射性セシウム濃度1000ベクレル程度まで可視化できる。今後、さらに低い濃度のセシウムも目で見えるカメラの開発もおこなう。

プレスリリース/独立行政法人物質・材料研究機構
http://www.nims.go.jp/news/press/2012/12.html