ハチクマの空の旅を実況中継
タカ類なのに蜂などを主食にする、珍しい渡り鳥「ハチクマ」。環境省のレッドリストで、準絶滅危惧種に指定されている希少な生物だ。
この「ハチクマ」4羽が日本を出発し、東南アジアへと渡っていく様子を公開するプロジェクトが進行中だ。
これは、慶応大学の樋口広芳特任教授(鳥類学)らの研究チームがインターネットのホームページで、「ハチクマ」の旅の様子をリアルタイムで公開する試みだ。
研究チームはハチクマ4羽の背中に衛星送信機を取り付けて、今年6月、青森県と山形県で放鳥した。4羽の名前は「クロ」、「ヤマ」、「ケン」、「ナオ」。
ホームページでは人工衛星で追跡観測した4羽の位置を、日時入りで地図上に示し、線でつないで飛行ルートがひと目で分かるように実況公開されている。
片道1万キロを飛行
東北を出発した4羽は日本列島を南下し、九州北部から東シナ海を渡って中国大陸へ到着。中国東部を海沿いに飛行しながらベトナム、マレーシア方面へと進んでいる。
日本に飛来したハチクマは5月ごろに繁殖期を過ごした後、9月を過ぎると越冬のために中国大陸を経て東南アジア方面へと移動する。その距離はなんと、1万キkmに及ぶという。
樋口特任教授は
地図も磁石もないのにダイナミックな渡りをする姿から、自然の不思議さや面白さを感じてほしい(「 スポニチ Sponichi Annex」より引用)
と語っている。
10月21日時点では、「クロ」がマレーシア北端に入った。「ヤマ」と「ケン」は、「クロ」が通過したタイ南部まで移動している。「ナオ」も皆の後を追いかけて、元気に南下中だ。

ハチクマ渡り公開プロジェクト
http://hachi.sfc.keio.ac.jp/home.htmlスポニチ Sponichi Annex
http://www.sponichi.co.jp/society/news