うちは1802億円出します!2週間で決着
ソフトバンクが10月1日、イー・アクセスの買収を発表して騒然となった。
ソフトバンクは携帯電話会社3位、イー・アクセスは4位だったが今回の買収でソフトバンクが携帯電話契約数2位となり、首位に君臨する
NTTドコモの追い込みにかかった。
ソフトバンク孫正義社長がイー・アクセスの統合を決断したのは9月19日だという。これは、auのiPhoneがテザリング機能を付けて販売されるため、孫正義社長が19日に緊急記者会見を開き、「
テザリングやりましょう」の発表を行なったタイミングだ。
買収は、わずか2週間足らずの猛スピードで進められた。ソフトバンクが喉から手が出るほど欲しかったのは、
イー・アクセスが持つ1.7GHz帯のLTEネットワークだ。1.7GHz帯は、米アップルが「iPhone5」で世界標準の電波に指定しているため、
これまでと価値が全く変わった(「日本経済新聞」より引用)
1日に開いた記者会見で、同周波数帯の必要性を強調した。
ソフトバンクの2.1GHz帯サービスとイー・アクセスが持つ1.7GHz帯を合わせた「
LTEのダブルエンジン」は、NTTドコモやKDDIとのシェア争いで大きな武器となる。
KDDIとは絶対に組ませたくない
実は、KDDIも以前からイー・アクセスに買収の話を持ちかけていたが、値段交渉で折り合わず折衝は難航していた。
この隙をついて、即座に動いたのが孫正義社長だった。買収は株式交換でおこなわれ、ソフトバンクはイー・アクセス株式を
時価の3倍と評価し、取得額は
1802億円に上った。
ソフトバンクは今回の買収で、イー・アクセスが持つ基地局設備や420万のモバイル契約に加え、LTE強化による新規顧客の獲得などの相乗効果で
3600億円の収益を見込んでおり、買収額は妥当と判断している。
ソフトバンクにとってイー・アクセスが
KDDIに吸収されるのは、なんとしても阻止したい脅威だった。ソフトバンクはNTTドコモやKDDIに比べて電波の割り当てが少ないため、KDDIがイー・アクセスと組めば、iPhoneの販売競争で後塵を拝すのは確実だからだ。
ネットワークの見通しがたったため、来年1月15日から行われる予定だったiPhone5でのテザリングサービスも1か月早い、
12月15日からのスタートが可能になった。
以前の発表ではiPhone 5のパケット定額(月額5460円)の場合、月間1.2Gバイト超は速度制限をかけることがあるとしていたが、この制限を廃止し、auと同様に
1Gバイト/3日間超過時に速度制限をかける場合があると変更した。
電光石火の買収劇は、モバイルブロードバンドNo.1を目指す孫正義社長の執念の賜物だ。今後、電波をめぐる携帯各社の争奪戦はますます激しくなるだろう。

ソフトバンクとイー・アクセスの経営統合について
http://webcast.softbank.co.jp/