40日周期で放射能物質が増える
東京電力福島第一原発の事故で大気に広がった
放射性物質が、約40日間かけて地球を1周し、世界中に広がった可能性が高いと、福島大学の研究グループが報告した。
これは、茨城県つくば市で5月29日に開かれた日本気象学会春季大会で発表されたもので、福島大学の
渡邊 明教授らの研究グループが明らかにしたものだ。
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photo pin cc福島市内で大気中の放射性物質を測定
研究グループは、昨年5月から福島市内の大学の屋上で、大気中の放射性物質について、調査を行ってきた。
今年4月までの調査結果によると、調査開始から1か月間の大気中の放射性物質の濃度は1立方メートル当たり平均で0.0048ベクレルだったが、今年3月の計測では、およそ0.0007ベクレルと
約85%減少した。
ただ、濃度は減少しているものの、
40日周期で増加と減少を繰り返しているという。これは、東京電力福島第一原発からの風向きとは関係なく、40日ごとに
平均値より高い数値が規則的に計測されているもので、特に今年1月以降にこの傾向が顕著だという。
40日かけて世界に放射能物質が落ちている可能性
研究グループは、拡散した放射性物質が大気に乗って40日間をかけて地球を1周しながら、世界各地にちりなどと共に落ちているため、徐々に減少しているのではないかと指摘している。
渡邊教授は
放射性物質が濃淡を持って大気中に存在し、動いているのか、大気の運動として放射性物質を集める仕組みがあるのかなど、現時点ではわからない
と語ったと、読売新聞は報道しており、対するNHK NEWS WEBは
放射性物質が世界中にどう拡散し、それぞれの国にどのように影響するのかを明らかにできる可能性がある
と渡邊教授が述べたと報じている。
読売新聞とNHKでは微妙に報道のニュアンスが異なるが、放射性物質の拡散状況に関するより詳しい調査が望まれる。

福島大学ホームページ
http://www.sss.fukushima-u.ac.jp/welcome/compendium/7NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/htmlYOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/science/news