今年は「金」にちなんだ天体ショーが3回続く
待ちに待った5月21日の金環日食が終わってしまったが、日食メガネはまだ用済みではない。6月6日の「
金星の太陽面通過」という貴重な天体ショー観測まで、大切にしまっておこう。
(画像は国立天文台ホームページより)
「金星の太陽面通過」とは、
金星が太陽の前を横切る現象で、太陽の表面に金星が黒い点として現れる。これは243年に4回しか起らないと計算されており、次回は105年後の2117年まで見ることのできない貴重な天体現象だ。
(画像は国立天文台ホームページより)
8月14日「金星食」も好条件で観測できる
さらに、8月14日の未明には「
金星食」が起こる。これは
月が金星の前を横切って金星を隠してしまう現象で、今回の「金星食」では月の明るい側から金星がもぐりこみ、暗い側から出てくる。
太陽面通過では太陽の前を横切った金星も、月の場合は後ろ側を通過することになる。観測地によっては、トルコ国旗の柄のように三日月状に月が欠けたり、月の端を金星がかすめる様子が見られるという。
「金星食」は観測できる範囲が限られている上に、夜間に起きるとは限らないため、好条件で見る機会は貴重だ。しかし8月14日には、太陽や月の次に明るい等級4.3の金星が、太陽から離れた位置にあるため、「金星食」の
全過程を見ることができる千載一遇のチャンスとなる。
(画像は株式会社ウェザーニューズ ホームページより)
ペルセウス座流星群も見逃すな
8月14日は、
ペルセウス座流星群の極大も近いので、うまく行けば一晩で2つの大イベントを目撃できる可能性もあるのだ。「金星食」は、金環日食や日面経過と違って日食メガネがなくても安全に観察できるのも嬉しい。
「金環食」を見ることのできる時間は、8月14日午前2時40分から3時25分頃。肉眼で見えるが、高度の関係で東側が地平近くまで開けている場所が観測に最も適している。

2012年のおもな天文現象
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/topics/html株式会社ウェザーニューズ
http://weathernews.jp/