太陽北極で予想以上の早さで地場が反転
国立天文台と理化学研究所の研究者などによる国際研究チームは4月19日、太陽極域磁場の極性が通常より早く反転しており、
磁場の反転が太陽の北極で起こっていると発表した。
画像:(c)国立天文台
日本が誇る太陽観測衛星「
ひので」が、太陽極域に黒点と同じ磁場強度を持つ斑点状の磁場(大きな斑点状磁場)の存在を明らかにしたのは2007年のことだ。
太陽の南極と北極にはプラス極とマイナス極が存在し、約11年の周期で南北同時に磁場が反転する。現在は北極がマイナス極、南極がプラス極となっており、次回の反転は2013年5月に起こると予測されていた。
ところが「ひので」の観測によると、北極の磁場を担う斑点状の磁場の数が急速に減少し、磁場の反転が発生しているというのだ。
画像:(c)国立天文台
南極では地場の反転兆候は観測されず
しかし同時に反転が行われるはずの
南極では極性反転がみられないという、驚くべき観測結果となっている。これは、地球が寒冷であったと言われる
マウンダー極小期や
ダルトン極小期と同じ状況だと考えられており、今後の推移が注目される。
画像:太陽黒点 - Wikipedia
マウンダー極小期やダルトン極小期とは、太陽活動の極小期で、太陽黒点数が著しく減少する期間の呼び名である。マウンダー極小期は1645~1715年、ダルトンは極小期1790~1820年に起こったといわれる。

Press Release 2012.4.19/国立天文台
http://hinode.nao.ac.jp/news/120419PressRelease/#siryou
太陽黒点/Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/