ゲーム感覚の弱視改善トレーニングツール
科学者らによって、楽しみながら視力改善ができる反復トレーニングツールが作られました。弱視を持つ成人被験者2人の協力の下、同トレーニングツールの試作実験を行った結果が19日、「Neuroscience 2014」で発表されました。
ゲーム感覚でできる訓練とは
具体的には、成人を含む弱視や奥行き知覚の弱い人々のために作られたもので、訓練に大切な「おもしろ」要素を追加したビデオゲーム型の訓練ツールなのだそう。
訓練で用いられたのは、パックマンのような「追いつ追われつのゲーム」などの楽しく繰り返し訓練ができる要素を盛り込んだ手法。前述の実験の結果、2人の視力はそれぞれトレーニング前は0.8の視力が1.0に、0.3が0.4にまで回復しました。
従来の訓練は片目のみ
眼を強くするための一般的な訓練として、眼帯やアイパッチが使用されてきたが、今回の訓練ツールでは、両眼を使うプッシュプル式が使用されたのです。
前者は優位眼を使用しない片眼のみのプッシュトレーニングだが、後者は、両眼とも刺激を受けるものの、弱い方の眼がより複雑なイメージにさらされるため、さらに強い刺激が作り出されるのだそうです。
カギとなるのは両眼を同時に使う「プッシュプルスタイル」
従って、両眼は相互に作用するよう促されつつ、優位眼の方の力は抑えられるといいます。同技法は、積極的に視力のバランスをとるよう働きかける、脳内の重要な経路にターゲットをしぼったもの。
「プッシュプル方式が効果があることが分かっていたので、今度は、どの程度効果があるのかを調査する必要があったのです。」(オハイオ州立大のニュースリリースより引用)
こう話すのは、オハイオ州立大学のテン・レン・ウーイ教授。また、実験で使用したゲームによって、弱視の人における奥行き知覚と両眼視に改善が見られたものの、両眼視が基準から外れれば外れるほど、要するトレーニングの回数が高くなるともコメントしています。
テレビゲームは本当に目を悪くする?
「テレビゲームばかりしていると、目が悪くなるよっ!」これは親が子供によく言うせりふの1つではないでしょうか。果たして、この親のお小言が真実なのかどうか、さらなる研究で解明されることを期待したいですね。
(画像はイメージです)

Ohio State University
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