Happy Patient Study(患者満足度研究)
ドイツを中心とした眼科医グループによって実施された「Happy Patient Study」は白内障で多焦点眼内レンズ手術を受けた患者の満足度に対する患者の性格がどのように影響を与えるかについて検討した結果を2014年10月30日、Journal of Refractive Surgeryに発表しました。
研究方法
多焦点眼内レンズ手術を受けた183例の患者を登録。裸眼と矯正視力を遠見と近見で手術前、術後3か月と6か月後に測定。
手術前にNEO Personality Inventory検査とCompulsiveness Inventory検査を問診票にて実施。
術後3か月後と6か月後に全般的な満足度、遠くを見るときの眼鏡の必要性、距離や明るさによる目の様子、光を見たときの状況と日常生活の問題点に関する問診票に記載。
研究結果
3か月後の調査ができた例数は163例。
矯正遠見視力は0.03±0.09logMAR、裸眼遠見視力は0.05±0.09logMAR、裸眼近見視力は0.04±0.11logMARでした。
6か月後の調査ができた例数は131例。
矯正遠見視力は0.02±0.07logMAR、裸眼遠見視力は0.06±0.09logMAR、裸眼近見視力は0.05±0.01logMARでした。
ほとんどの人(82.2%)はもう一度手術をしてもかまわないと答えましたが、3.7%は二度と受けたくないと答えました。
手術の満足度は乱視が弱い人、視力が回復した人、眼鏡がほとんどない人、光に対して後輪が見えたり、まぶしさを感じたりすることが少ない人でした。
性格としては強迫的な確認(ガス栓を閉めたか、鍵を閉めたかが非常に気になる人)、整理整頓をしないと気が済まない人、コンピテンス(誠実さが高い人)、礼儀正しい人で光を浴びたときに光輪が見えたり、まぶしさを感じたりする人が統計的に有意に高くなっていました。
考察
多焦点レンズ手術は多くの人に満足を与えました。個人的な性格特性によって、光に対する反応が異なり、満足度にも影響を与えることが判明したとのことです。
(画像はイメージです)

Journal of Refractive Surgery
http://www.healio.com/ophthalmology/journals/jrs/