ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングが発表
2014年10月14日、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングは自家培養角膜上皮(EYE-01M)の治験計画届書を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したことを明らかにしました。
(画像はプレスリリースより)
治験調整医師は大阪大学脳神経感覚器外科学(眼科学)西田教授。治験実施医療機関は東北大学病院、眼科杉田病院、大阪大学医学部附属病院、愛媛大学医学部附属病院の4施設。
対象疾患は角膜上皮幹細胞疲弊症。実際に治験を始めるのは2014年度3月期を予定しているとのこと。
角膜上皮幹細胞疲弊症
角膜上皮細胞の細胞を供給しているのは輪部にある角膜上皮幹細胞です。この幹細胞からの細胞の供給が止まると、角膜上皮幹細胞疲弊症と呼ばれる状態になります。
(画像はプレスリリースより)
症状としては角膜の混濁、視力低下の原因となります。
角膜上皮幹細胞疲弊症の原因となるものには、先天性の無虹彩症や強膜化角膜があります。外因性のものとしてはアルカリ腐食や熱傷があります。内因性のものとしてはスティーブンス・ジョンソン症候群や眼類天疱瘡や原因不明の突発性と呼ばれるものがあります。
スティーブンス・ジョンソン症候群はウイルス感染によると考えられていますが、非常にまれではありますが、広く使われている風邪薬やアロプリノール(高尿酸血症の治療薬)の副作用として発生し、角膜上皮を含む体中の皮膚や粘膜が紅斑化し、最終的には表皮細胞が壊死・融解してしまいます。
病変部が広がると死亡する場合もあります。
スティーブンス・ジョンソン症候群が発生するという報告がある薬剤は1,100種類にも及びます。
治験の概要
患者自身の角膜組織を原材料とし、培養角膜上皮用温度応答性培養皿にて培養・製造した自家培養角膜上皮シートを、移植するものです。
評価項目は角膜上皮の再建と臨床症状(眼痛、異物感、流涙、羞明(しゅうめい)、乾燥感、不快感等)の改善です。

ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング プレスリリース
http://www.jpte.co.jp/ir/library/Eye_20141014.pdf