子どもとペットの犬を見たときの母親の脳の反応
2014年10月3日、マサチューセッツ総合病院(米国)はハーバード大学医学大学院(米国)とハーバード大学(米国)と共同で、fMRIを用いて、自分の子どもかペットの犬を見たときの母親の脳の反応を比較した文献をPLOS ONE誌で公開しました。
(画像はイメージです)
fMRIは脳に影響を与えることなく、外部刺激によって脳のどの部位が活性化するかを測定するものです。
研究内容
対象は22歳から45歳の女性で、2歳から10歳までの子どもが一人はいて、少なくとも2年以上飼育している犬をペットにしていることを条件にしました。
子どもの写真とペットの犬の写真、知らない子どもの写真、知らない犬の写真4枚ずつを順に見せ、その間の脳の活性化部位をfMRIで測定しました。
その結果、知らない子どもの写真や知らない犬の写真では、脳が報酬を得た(楽しい気持ちなる)際に活性化する脳の部分は活性化しませんでした。
自分の子どもとペットの犬の写真を見たときには報酬を得た際に活性化する脳の部分は子どもでもペットでも同じように活性化しました。
自分の子どもとペットの写真を見たときに、活性化に差があったのは外側後頭側頭回です。この部分は顔や社会的認識を行う際に活性化する部分です。子どもでは活性化が低く、ペットでは活性化しました。
(画像は文献のFigure4.)
この違いは子どもとペットを見るときの認識方法に差がある可能性を示唆しています。
今回の試験は少数で親と子の関係が同一で、ペットの犬に限られていました。今後は子どものいない人のペットを見たときや他の動物で検討することにより、今回得られた結果が一般化できるかどうかの検討が必要です。

マサチューセッツ総合病院 発表論文
Stoeckel et al.
Patterns of Brain Activation when Mothers View Their Own Child and Dog: An fMRI Study.
PLoS ONE 9(10): e107205. doi:10.1371/journal.pone.0107205
http://www.plosone.org/article/