手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」で腎腫瘍摘出
2014年9月19日、名古屋市立大学の「医療デザイン研究センター」と泌尿器科のロボット手術チームは共同で腎臓癌患者のロボット支援による腹腔鏡手術において、弾性腎腫瘍モデルを用いたシミュレーションを初めて適応し、手術に成功したことを明らかにしました。
(画像はプレスリリースより)
見えない手術を可視化
今回の手術の対象となった癌は、癌病巣の一部が腎臓に埋没しており、従来の技術では腎臓全体を摘出方法が適用となるものでした。
今回、患者のCTデータをもとに、精度が高く、臓器の持つ弾性を再現した腎腫瘍モデルを3Dプリンタを作成しました。
(画像はプレスリリース)
腎臓は血管が豊富な臓器であることから、出血の危険性が高く、正常な腎臓組織を傷つけることなく病巣部分を切除する必要があります。
そのため弾性腫瘍モデルを手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」で切除し、実際の手術をシミュレーションしました。
手術を受けた患者さんの経過は良好で、手術シミュレーションにより「見えない手術」を可視化し、従来は臓器をすべて取るしかなかった手術を、より安全で負担の少ない癌病巣部の部分削除が可能であることを実証しました。
手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」の概要
1990年代に米国で開発された医療機器。「ダ・ヴィンチ」は「da Vinci Surgical System」の略称。
1~2cmの小さな穴を開けて内視鏡カメラとロボットアームを挿入し、術者は3Dモニター画面を見ながらあたかも術野に手を入れているようにロボットアームを操作して手術します。
日本では2009年11月医療機器として薬事承認を受けています。健康保険では、前立腺癌で内視鏡手術用支援機器加算を使うことができます。点数は54,200点。
名古屋市立大学 プレスリリース
http://www.nagoya-cu.ac.jp/secure/149568/26091901.pdf