自然科学研究機構の研究
2014年8月21日、自然科学研究機構 生理学研究所は手の動作に係わる脳内ネットワークの一部は、先天的に目が見えなくてもネットワークは形成することを確認し、「The Journal of Neuroscience」が論文として掲載したことを発表した。
研究内容
目を使うことで、他者が行う動作を理解するのが一般的である。しかし、世界的なアーティストが実証するように、生まれつき目が見えなくとも動作を学ぶことは可能である。
脳の中での相手の動作を認識する部位はすでに明らかになっており、視覚野と呼ぶ。今回の研究では機能的各磁気共鳴法(fMRI)を用いて、晴眼者と視覚障害者において、手の動作で外部を認識するときの脳のネットワークの動きを比較。
(画像はプレスリリースより)
その結果、手の動作で外部を認識した際に活性化が起こる脳のネット-ワークは同じであることが判明した。
この結果は目が見えることを前提とした発達心理学に一石を投じ、目が見えない場合の社会能力の発達に関して重要な知見を与える。
自然科学研究機構
自然科学研究機構は、政府組織の独立法人化した組織の1つで、大学共同利用機関法人。国立天文台、核融合科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所、分子科学研究所の5つの研究所が合同して設立。

自然科学研究機構 プレスリリース
http://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2014/08/発表文献
’The brain network underlying the recognition of hand gestures in the blind: the supramodal role of the extrastriate body area’
The Journal of Neuroscience, 23 July 2014, 34(30): 10096-10108
Abstract
http://www.jneurosci.org/content/34/30/