眼圧を24時間モニタリングできる装置
スタンフォード大学はBar Ilan大学(イスラエル)と共同して眼圧を24時間モニタリングできる装置を開発したことを「Nature Medicine」に投稿した。この文献は2014年8月24日にオンライン版で公開。
緑内障と眼圧
緑内障の原因の一つは眼圧の上昇である。眼圧は家庭内では測定することが不可能で、病院でしか測定できない。眼圧測定は間歇的であり、緑内障の確定診断に用いることはできない。また、病院での測定で眼圧が正常範囲である緑内障も存在する。
診断時の眼圧にかかわらず、緑内障では眼圧を下げることが唯一の治療である。眼圧低下には薬物、レーザー手術、外科手術がある。
高眼圧症で緑内障を発症していない場合に、予防的に眼圧を下げるかどうかに関しては意見が分かれている。
装置の概略
この装置は流体圧力センサーを組み込んだチップ。眼内にこの装置だけを埋め込んだり、眼内レンズに組み込んだりすることもできる。
光学アダプターを組み込んだ携帯電話を画像取り込み装置として使用可能。解析も容易である。現在のところは豚の眼で眼圧のモニタリングに成功している。今後、人で使用するには臨床試験で安全性と有用性を確認する必要がある。
眼圧は日内変動することが知られているので、24時間モニタリング装置は緑内障の診断、経過観察、治療の測定に役立つ可能性が高い。

「An implantable microfluidic device for self-monitoring of intraocular pressure」Nature Medicine (2014) doi:10.1038/nm.3621
http://www.nature.com/nm/journal/vaop/ncurrent/full