光とフェロモンの受容体が寒さに強くなる働きをしている
人間は眼に光の受容体があります。その受容体が働くことによって寒さに強くなる可能性があることが動物実験で確認されました。
(画像は防寒議を着た羊飼い)
甲南大学総合ニューロバイオロジー研究所の久原准教授らのグループが行った実験で、光とフェロモンの受容体がインスリンを用いて、寒さに慣れること(寒冷馴化)が行われることを線虫で明らかにしました。
実験内容
線虫は20℃から2℃にすると死んでしまいますが、15℃から2度にすると死ぬことはありません。このメカニズムを研究する中で、光受容体とフェロモン受容体が大きな役割を果たしていることが判明。
さらに、光受容体とフェロモン受容外は刺激を受けることによって、インスリンの分泌を促し、その結果DAF-16という遺伝子の発現が増幅し、寒さに耐えることができるようになることを示しました。
人間への応用
分子生理学的なシステムの大部分は線虫から人まで保存されています。従って、今回の生理学的なシステムは多くの動物で働いている可能性があります。
人における寒冷訓化の仕組みが明らかになると、季節の変わり目に生じる体調不良や冷え性の原因解明や予防につながるかもしれません。

Light and pheromone-sensing neurons regulates cold habituation through insulin signalling in Caenorhabditis elegans
Nature Communications 5, Article number: 4412 doi:10.1038/ncomms5412
http://www.nature.com/ncomms/2014/140722/ncomms5412