網膜色素変性症の患者からiPS細胞作成
慶應義塾大学医学部眼科学教室の網膜細胞生物学研究室と、生理学教室との共同研究グループは、網膜色素変性症の患者から iPS 細胞を作成し、病態メカニズムを再現することに成功。
(画像はプレスリリースより)
ロドプシン遺伝子変異のある網膜色素変性症患者の皮膚の細胞からiPS 細胞の作成に成功。iPS 細胞のロドプシン遺伝子変異を、遺伝子組換え技術を利用して修復。また、iPS細胞から分化誘導した桿体視細胞を観察した。
ロドプシン遺伝子変異のあるiPS細胞から分化誘導した桿体視細胞は、修復したiPS細胞から分化誘導した桿体視細胞細胞よりも細胞死が亢進。この原因が従来の小胞体ストレスに加えて、オートファージ-と呼ばれる別の機構が働いていることが判明。
遺伝子変異による細胞死はラパマイシンが効果的に抑制することも発見。
網膜色素変性症
網膜色素変性は両眼性の網膜および網膜色素上皮の変性である。発症原因は遺伝性である。症状には,夜盲,視野変化がある。有効な治療はない。
ラパマイシン
放線菌が生産する抗生物質の一種。シロリムスとも呼ばれる。「リンパ脈管筋腫症」を適応症にノーベルファーマが2013年に製造販売承認申請。

慶應義塾大学 プレスリリース
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2014/