コーヒー抽出物のクロロゲン酸が網膜損傷を予防
コーネル大学のリー教授はコーヒー抽出物に含まれるクロロゲン酸が、網膜の変成を予防することをマウス網膜細胞とマウスで明らかにした。
(画像はクロロゲン酸の立体模型)
マウス網膜細胞を低酸素下で培養すると壊死にいたる。クロロゲン酸を混合して培養するとその減少は抑制された。また、マウスの視神経を遮断すると、視細胞は細胞死するが、クロロゲン酸とコーヒー抽出物を前もって与えておくとその細胞死は抑制された。
クロロゲン酸
クロロゲン酸はコーヒー豆から初めて抽出された化合物。熱に不安定。コーヒー豆中の含有量はカフェインよりも多い。
JPHC Study(国立がんセンターで行われているコホート研究)ではコーヒーには、糖尿病リスクを下げるような効果があることが示されている。直接的な証明はないが、クロロゲン酸が糖尿病治療薬に用いられている。アルファ-グルコシダーゼの阻害活性を持つこと関係がある可能性がある。
結論
クロロゲン酸あるいはコーヒー抽出物は網膜変性の予防に新しい利点をもたらす可能性が示唆された。

リー教授の論文 Chang Y. Lee et al. J. Agric. Food Chem. 2014, 62, 182−191
http://pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/jf404285v