糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫への応用を研究
株式会社アールテック・ウエノは、VAP-1阻害剤をもちいた眼疾患における臨床応用研究を九州医療センター眼科の研究グループと共に実施することを発表した。
糖尿病網膜症や加齢黄斑変性をはじめ、眼疾患の多くには炎症が関連しVAP-1が増加している。同社はVAP-1阻害剤を開発し、これまでにVAP-1阻害剤による糖尿病ラットの網膜症の炎症改善(ハーバード大学と共同)と、VAP-1の病的意義(北海道大学と共同)で研究してきた。
今回、同研究グループとVAP-1阻害剤を糖尿病網膜症や糖尿病黄斑浮腫に臨床応用する可能性を研究することに取り組む。
VAP-1阻害剤の働きは
VAP-1には2つの型がある。1つは血管内皮に存在する膜結合型で、白血球やリンパ球との接着分子の機能があり炎症に関連。もう1つは血清中に存在する遊離型で、生体内のアミンをアミンオキシダーゼ活性で解毒する機能をもつ。
糖尿病、アトピー性皮膚炎、肥満、動脈硬化、心疾患などにVAP-1の増加がみられる。VAP-1阻害剤は過剰になったVAP-1の機能を抑制することで正常化する。
糖尿病網膜症とは
糖尿病の罹病期間が20年以上に及ぶと、合併症の網膜症有病率は80%になる。非増殖性網膜症には血糖のコントロールで改善し、増殖性網膜症には光凝固療術や硝子体切除術を行う。
治療を受けている糖尿病患者は約250万人とされるが、糖尿病が強く疑われる約740万人に可能性を否定できない人をあわせると、成人の6人に1人が予備軍。3代合併症の糖尿病網膜症は視覚障害の原因では第2位になっている。
アールテック・ウエノ社
1989年に設立した創薬ベンチャー企業で、有効な治療薬のない眼科・皮膚科疾患に対して新薬を開発する。
株式会社アールテック・ウエノ プレスリリース
http://www.rtechueno.com/