羊膜移植術の保険収載に対する関連学会の動き
これまで、先進医療で全額自己負担であった羊膜移植術が保険収載され、6,750点と算定されました。算定できる施設は厚生労働大臣が定める施設基準に適合し、地方厚生局長等に届けた施設限定。
(この画像はイメージです)
日本眼科学会、日本角膜学会、日本角膜移植学会はこれをうけて日本眼科学会会員に「羊膜移植術の保険収載に係わる緊急連絡」を発出。
この中で羊膜は「臓器」ではなく「組織」として取り扱い、羊膜バンクと羊膜取り扱い施設のみ羊膜の採取、保存、利用するができるとしています。羊膜取り扱い施設になり得ない場合は羊膜バンクからの供給で手術を実施。
羊膜バンクは現在のところ、京都府立医大組織バンクのみ。
羊膜移植術
難治性再発翼状片、角膜上皮欠損、角膜穿刺、角膜化学腐食、瞼旧癒着、結膜上皮内過形成又は結膜腫瘍等の難治性眼疾患限定で保険適用になっています。
羊膜は免疫学的に寛容でほとんど拒絶反応を示しません。また、抗炎症作用、創傷治癒作用、線維化抑制作用を有し、難治性眼疾患の術後視力の改善維持、失明の予防の可能性を持っています。
羊膜は帝王切開の際に廃棄物として出るものですが、羊膜移植術に当たっては「羊膜取り扱いガイドライン2014」を遵守しなければなりません。(木村 彰男)

日本角膜学会 羊膜移植に関して
http://www.cornea.gr.jp/content厚生労働省 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(告示)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000032996.html