加齢黄斑変性だけでなく、黄斑浮腫の治療にも
バイエル薬品と参天製薬は11月22日、滲出型加齢黄斑変性治療薬として販売されている
アイリーアについて、
CRVO(網膜中心静脈閉塞症)に伴う黄斑浮腫の適応追加承認を取得したと発表した。第3相臨床試験であるCOPERNICUS試験とGALILEO試験のデータに基づき厚生労働省へ承認申請をしていたもの。
アイリーアとはバイエル薬品の、眼科用VEGF(血管内皮増殖因子)阻害剤「アイリーア(R)硝子体内注射液40mg/mL」と「アイリーア(R)硝子体内注射用キット40mg/mL」[一般名:アフリベルセプト(遺伝子組換え)]で、網膜疾患の治療薬として開発された。現在、参天製薬と販売提携を結んでいる。
今回の承認は、滲出型加齢黄斑変性の適応承認に続き2つ目の適応症となる。これで
滲出型加齢黄斑変性だけでなく、
CRVOに伴う黄斑浮腫の治療薬としても使うことができるようになった。
(画像はプレスリリースより)
黄斑浮腫の急速進行を止める
CRVOとは、網膜の中心にある静脈が閉塞する疾患。静脈の閉塞が眼の中のVEGF(血管内皮増殖因子)の濃度を上昇させて血液や液体成分が漏れだし、黄斑浮腫が生じると考えられている。
臨床試験では
アイリーアを6か月間投与した結果、60.2%の患者において視力の改善が認められた。
今回、アイリーアの臨床試験にたずさわった名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学 小椋祐一郎教授は
CRVOに伴う黄斑浮腫はしばしば急速に進行し、患者さんの中心視力を低下させる深刻な病態です。(プレスリリースより引用)
と述べ、
滲出型加齢黄斑変性治療薬として高い治療効果を示しているアイリーアが、この疾患においても新たな治療選択肢となることは患者さんにとって大きな福音になると期待しています(プレスリリースより引用)
期待を寄せている。

バイエル薬品株式会社と参天製薬株式会社のプレスリリース
http://byl.bayer.co.jp/html/press11-22.pdf