持ちネタはすべて頭の中に入っている
病気で視力を失った桂文太さん(58)は、笑いを通じて盲導犬への理解を呼びかける落語家。盲導犬の「デイリー」(オス、2歳)と共に、阿倍野区の地域寄席「田辺寄席」や北区の「天満天神繁昌亭」などの高座に出かける。落語という笑いを通じで盲導犬への理解を広げようと頑張っている。
昭和46年、文太さんは故5代目桂文枝さん(当時は小文枝)の元に入門した。病気が原因で目が見えなくなったのは50歳のころだった。落語の豊富な持ちネタは、すべて頭に入っていたので目が見えなくなったことの公表は行わず、落語を続けたのである。
人が盲導犬の障害物になることも
文太さんは日常生活で家族やガイドヘルパーの手を借りていたが、ガイドヘルパーを頼むことが出来る時間は、1か月51時間だけであった。一昨年、ガイドヘルパーから盲導犬の体験歩行が出来るイベントがあることを聞いて参加した。
文太さんは、盲導犬がいれば好きなときに出かけられると考えて、盲導犬を育成する日本ライトハウスに申し込みをした。千早赤阪村にある同盲導犬訓練所で4週間の共同訓練を経て、昨年11月に貸与された。
デイリーとの生活について文太さんは次のように語った。
ようやく気が合うてきました。ただ皆さん悪気はないやろけどデイリーに話しかけたり、点字ブロックの上に立って携帯電話してたりと“人が障害物になる“ことが多い。そんな体験を失敗談も交えてぼちぼちお客さんに聞いてもらっています。盲導犬キャンペーンにも協力できたら。
文太さんは落語の世界から、盲導犬への理解を呼びかけている。

日本ライトハウス
http://www.lighthouse.or.jp/MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110124/ent11012419360137-n1.htm