微小な奥行きを認識できるのは霊長類だけの特徴
大阪大の藤田一郎教授らの研究グループが、微小な奥行きを認識する部位を脳のどこにあるかを突き止めた。
ヒトやサルにはわずかな奥行きを認識する特殊な能力がある。藤田教授らは、この能力を担っているのが、大脳の「V4野」と呼ばれる視覚野であることを発見した。
これにより、今まで以上に自然な3次元(3D)映像の開発が期待できるという。研究結果は、米科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス電子版」に14日発表された。
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photopin ccもっと自然で眼精疲労の少ない3D映像の開発に期待
ヒトやサルなどの霊長類は、数メートル先に立てられた2本の針が前後に4ミリずれても、どちらが手前かを見分けることのできる特殊な能力を有する。この「微小奥行き視」を、脳の土の部分が司っているのかは、これまで明らかにされていなかった。
藤田教授らは、サルに3D映像を見せているときの、大脳の働きを解析。V4野の細胞活動と、サルの「微小奥行き視」の判断が一致することを発見した。さらにV4野の活動を人為的に変化させた結果、それにつれて奥行き判断が変わることも確認した。
3月14日付け時事ドットコムの記事によると、藤田教授は
V4野の性質を詳しく調べれば、脳の特徴を生かした、より自然で眼精疲労の少ない3D映像技術の開発に役立つのではないか
と語っている。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a1%d6%a4%ef%a4%ba%a4