女性従軍記者、シリア政府軍の凶弾に倒れる
2月22日、英・サンディ・タイムズのジャーナリスト、
メリー・コルビン氏がシリアのホムスで死亡した。シリア政府軍の激しい銃撃が続く西部ホムスで、フランス人カメラマンの
レミ・オシュリク氏と共に砲撃に巻き込まれた。この銃撃でジャーナリスト2人を含む、19人が死亡したという。享年55歳だった。
メリー・コルビンはUPI通信社を経て1985年、イギリス・サンデー・タイムズ紙に入社。30年以上にわたり数多くの紛争を取材してきた。2010年、ブリティッシュ・プレス・アワード(British Press Awards)の優秀外国人記者に選ばれている。
紛争取材は私の使命。勇気の証、黒いアイパッチ
2001年のスリランカ取材中に、爆発の破片で左目を失明。心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負いながらも、危険な現場に復帰した。これ以降、付けるようになった黒いアイパッチは彼女のシンボルとなり、勇敢で威厳あるジャーナリストとして世界中に知られる。
サンデー・タイムズはウェブサイトで、「Final dispatch from Homs, the battered city 」として、コルビン氏の最後の記事を公開している。2月19日付けのその記事で彼女は、砲弾と銃撃戦にさらされるホムスの悲惨な現状をレポートしている。その中には、
On the lips of everyone was the question: “Why have we been abandoned by the world?”」(人々は口々にこう問いかける、「世界は、我々を見捨てるのか?」)
と記されており、紛争に巻き込まれている罪なき市民の現状を、最期まで伝え続けた。

The Sunday Times
http://www.thesundaytimes.co.uk/sto/public/newsMSN産経ニュース
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