コンタクトレンズの使用者は、国民の1割を超す1500万人以上と言われているが、その普及に伴い、使用者の7~10%の人が目の病気にかかっていると推測されている。
中でも細菌などによる角膜感染症は重症化すると視力低下の要因にもなるためこすり洗いをきちんとするなど、毎日の適切なケアが非常に大切といわれている。
眼病に気づきにくいソフトレンズ
現在コンタクトレンズ使用者の割合は、ソフトコンタクトレンズが7割を占めている。
ハードレンズに比べてソフトレンズの方が装用感が良くズレにくいが、角膜と密着しているためまぶたの刺激を和らげ痛みを抑える効果があり、病気に気づきにくい。
近年増えている角膜感染症
コンタクトレンズによる目の病気で近年問題になっているのが、細菌やカビなどによる角膜感染症。目の痛みや充血などを起こし、失明する恐れもある。中でも増えているのがアカントアメーバと呼ばれる微生物によるもので、特効薬がなく治りにくい。
ソフトレンズに水道水を使用すると、この微生物がコンタクトレンズに付着し、深刻な眼障害を起こす危険性が高くなる。角膜感染症が増えている原因の一つにケアが簡単になったということがあげられる。
ソフトレンズはかつて煮沸消毒を行わなければならなかったが、近年は洗浄・すすぎ・消毒・保存が一本でできる消毒剤が主流になっている。これにより、誤ったケアをする人が増えているという。
こすり洗いの必要性を理解する
こすり洗いは非常に重要で、丁寧に洗うことで、良好な洗浄・消毒効果が得られる。目の分泌物であるタンパク質や脂質を落とし、微生物も1000分の1程度に減らすこともできるという。とくにソフトレンズの場合、洗浄効果と同時に消毒効果も発揮される。
また細菌の温床となるレンズケースも毎回洗い乾燥させる必要がある。
使い捨てコンタクトレンズは非常に便利だが、ついつい期間よりも長く使用する人も多いという。コンタクトレンズは医師の処方が必要な「高度管理医療機器」だ。定期健診を受けるなど、認識を新たにし、適切なケアで取り扱う必要がある。
コンタクトレンズ教室 正しいレンズケア
http://www.aki-net.co.jp/contact_lens/class09/le9_01.html