オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定
眼科医療において医薬品・医療機器の開発や実用化をしている窪田製薬ホールディングス株式会社の子会社アキュセラ・インク(米国シアトル)が開発する新薬が、1月5日にオーファンドラッグ指定の通知を受けました。
オーファンドラッグは希少疾病用医薬品であり、治療が困難な病気や患者数が少ない病気の治療薬です。「オーファンドラッグ法」は医薬品が研究開発されるよう、公的援助制度を整備するためにFDA(米国食品医薬品局)により制定されています。
網膜を損傷させる遺伝性疾患スターガルト病治療
今回オーファンドラッグ指定を受けた新薬候補はスターガルト病を適応症とする「エミクススタト塩酸塩」です。スターガルト病は網膜に障害をきたし、徐々に視力が低下する希少遺伝性疾患であり、若年者に発症します。遺伝子異常により、視力低下、視野の欠損、色覚異常、歪み、ぼやけ等様々な症状が出ます。8千~1万人に1人に発症し、米国での推定患者は4万人以下ですが、現在症状の進行を抑制する治療法はありません。
脳に映像を認識させる仕組み、視覚サイクルは強い光により有害代謝産物を生成します。スターガルト病は遺伝子の異常により、有害代謝産物が過剰に蓄積され、働きに支障をきたし、網膜が損傷すると考えられています。「エミクススタト塩酸塩」は視覚サイクルに必要な酵素を抑制し、視覚サイクルを調節することにより、有害代謝産物の生成が低下するとされています。
「エミクススタト塩酸塩」での臨床第1相試験は終了しており、現在はスターガルト病患者を対象にした臨床第2相試験の開始に向けて検証しています。
(画像は窪田製薬ホールディングス株式会社HPより)
窪田製薬ホールディングス株式会社 ニュースリリース
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