巻き貝が海に溶けていく……
海水の酸性化で、南極海周辺に生息する浮遊性巻き貝の殻が溶解していることがわかった。
11月25日、英南極研究所(British Antarctic Survey)などの欧米研究チームが、南極海の海域で採集した「海の蝶(sea butterfly)」と呼ばれる
巻き貝の殻が溶けているのを発見したと、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版に発表した。
英南極研究所は
海洋の酸性化が海の生態系と食物網に著しい影響をもたらすとの予測を裏付ける発見だ(「AFPBB News」より引用)
と指摘している。
生態系へのダメージは?
化石燃料の燃焼による二酸化炭素(CO2)濃度の上昇は地球温暖化だけではなく、海の環境にも大きなダメージを与えている。海水の酸性化によって生物に害が生じ、
生態系が乱れる事態が懸念される。
殻を失った浮遊性巻き貝は、魚や鳥などに捕食されやすく、病気にもかかりやすくなる。浮遊性巻き貝を食べる他の生物にも、連鎖的な影響が出る恐れがある。
地球の海は人間が排出するCO2の4分の1以上を吸収しており、急速に
酸性化が進んでいる。研究によると、18世紀後半の産業革命以降、海の酸性度は30%上昇したという。

British Antarctic Survey - Homepages
http://www.antarctica.ac.uk/index.phpAFPBB News
http://www.afpbb.com/article/