政府の個人情報追跡を批判してハッキング
米Apple「
iPhone」などのユーザー情報1200万件が流出し、そのうち約100万件の情報がWeb上で公開される事件が起こった。
国際的ハッカー集団「Anonymous」の関連グループ「
AntiSec」が
米連邦捜査局(FBI)のコンピュータからデータを盗んだとの犯行声明をおこなっている。
(photo credit:
JD Hancock via
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現地時間9月3日にテキスト情報共有サイト「Pastebin.com」で公開された声明には、「AntiSec」は
Javaの脆弱性を利用してFBI捜査官のノートパソコンに侵入し、「
NCFTA_iOS_devices_intel.csv」という名前のファイルを盗んだと書かれている。
ファイルには、
1236万7232件のiOSデバイスのUDID(端末固有番号)をはじめ、ユーザー名、住所、携帯電話番号などの個人データが記録されていた。
盗んだデータの内100万1件のUDIDリストがダウンロードできるリンク先も、同時に掲載された。
AntiSecは今回の犯行を、「米政府がこのような個人情報を追跡していることを批判するため」のものだと説明している。
(画像:FBIホームページ)
FBI、Appleともに証拠なしと否定
「AntiSec」は証拠として約100万件の情報をWebに公開したわけだが、FBI、Appleともにこれを否定している。FBIは9月4日、ホームページで、
FBIから情報が漏洩されたとの報道は認識しているが、これは事実ではなく、FBIのノートパソコンが侵入を受けた形跡は認められない。また、FBI捜査官が、このようなデータの収集を取得していたことを示す根拠もない
との声明を発表した。
Apple広報担当者はIT情報Webサイト「AllThingsD」に
FBIは、Appleにこのような情報の提供を要求したことはない。また我々はFBIだけでなくいかなる組織にも、この情報を提供していない。iOS6では新しいAPIを搭載し、UDIDの使用は禁止される
と説明し、
UDIDの使用禁止を発表した。
9月12日のイベントで新機種「iPhone5」の発表がほぼ確実視されているこの時期の個人情報ハッキングは、Appleの出鼻をくじく形となった。
(画像:NCFTAホームページ)
盗まれたファイル名にあった「NCFTA」は、「
National Cyber-Forensics & Training Alliance(サイバー犯罪科学訓練同盟)」の略称。ハッカー攻撃などのサイバー犯罪対策組織で、ネット犯罪に対抗するためFBIや民間業界に協力している。現時点では、今回の犯罪の関するNCFTAからのコメントは得られていない。

SPECIAL #FFF EDITION - ANONYMOUS - Pastebin.com
http://pastebin.com/nfVT7b0ZFBI
http://www.fbi.gov/news/pressrel/press-releasesAllThingsD
http://allthingsd.com/20120905/apple-we-didntNational Cyber-Forensics & Training Alliance
http://www.ncfta.net/Index.aspx