「起立斉唱条例」でブチ切れ会見
橋下徹大阪市長が5月8日の囲み会見で、MBS(毎日放送)女性記者にブチ切れて物議をかもした。
これはMBSの記者が、公立学校の校長に行ったアンケートを元に質問し、橋本市長の逆鱗に触れたものだ。MBSの質問は、
起立斉唱条例のために教員の口元チェックするのは過半数がやりすぎだと答えている。
「起立」と「斉唱」は分けて考えるべきではないか、という内容のものだった。
この発言に対して橋本市長は激しい怒りを表し、叱責口調で記者を逆に詰問。その一部始終がYouTubeに動画としてアップされ、再生は150万件を超えるほどの注目を集めている。
情報の提示で、自ら考える人材を育てる
さて、起立斉唱条例騒動のもう一人の渦中の人物である、大阪府立和泉高等学校の
中原徹校長は、これら一連の騒動をどのように受け止めているのだろうか。
中原校長は5月12日、自身のブログに「国歌斉唱問題から学ぶこと」と題する記事を掲載した。
これによると校長は今年4月、入学式を前にした職員会議で、2つのことを教職員に伝えた。まず1つは、正当な民主主義の手続きを経て出された
職務命令は守るべきだということ。
そして2つめは、生徒の大切なセレモニーを教師の個人的な
イデオロギーをアピールする場にせず、しっかり起立斉唱して生徒を祝福するべきであること。
中原校長は「日の丸」「君が代」に日本の歴史の負の側面を感じる職員の考え方を、
教育現場が少数意見として封殺してはならないと述べた上で、
しかし、そのようなお考えを、式典で立たない・歌わないというような形でアピールをしても生徒の教育には何の役にも立たない。イデオロギーをめぐる大人同士の争いになり教育から離れてしまう。
と懸念している。
生徒が思考停止に陥らないために
教職者であるならその考えの根拠となる史実を、資料を示しつつ生徒に伝えるべきである。その際、一つだけの考え方に偏らないように、必ず自分とは反対意見も情報提供するべきだという。教師の意見を押し付けるのではなく、
生徒が自ら考えるための材料を提示しようというのである。
中原校長は2年前に和泉高校に赴任してから、情報提供の場を設けるために、「平和と国防を考える」という特別授業を毎年1回行っている。
高校生は卒業後、二十歳になれば選挙権を得る。「戦争」や「平和」を真剣に考える時期にある学生たちに、有益な情報をイデオロギーに偏らず伝える必要がある。これが、中原校長の考えだ。みなさんはこの問題を、どのようにお考えになるだろうか。

5月8日登庁時市長囲み取材/YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=3OKlJeer0PQ
中原徹(最年少校長)のブログ
http://ameblo.jp/nakahara-toru/entry-11248551587.html