トンボにモーションキャプチャー用のセンサーを装着
ネイチャー2015年1月15日号の表紙はトンボが飾りました。
トンボは複眼を持つことから、高い動体視力により獲物を捕らえていると考えられていました。
ハワードヒューズ医学研究所などの研究グループはトンボにモーションキャプチャー用のセンサーを装着することによって追跡し、昆虫では初めて、反射的な反応以外に予測を行って獲物を捕らえていることを実証しました。
研究の背景と方法
脊椎動物は、脳等の神経組織によって、自分の動きを制御しています。つまり、眼などから入手した情報は処理された後に、体の制御を行っていると考えられています。
無脊椎動物の動きは眼などから入手した情報が直接体を制御する、反射であると考えられていました。
今回の研究では、トンボにモーションキャプチャー用のセンサーを装着し、トンボが飛行中の獲物を捕らえる際の頭部と胴部の動きを追跡したところ、獲物の動きに対して、頭部は獲物を下から近づく様に自動的に追尾していましたが、胴部は獲物への最短距離になる様に反応。
胴部の動きには獲物の動きに対する予測という情報付加が行われていることから、トンボにも神経組織によって自分の動きを制御することが分かりました。
今後の展開
昆虫の神経系は実験で取り扱いが簡単なので、神経による運動制御の一般原理を詳細に解明できる可能性があります。
(画像はプレスリリースより)

ハワードヒューズ医学研究所 プレスリリース
http://www.hhmi.org/news/dragonflies-hunt-display-complexNature 文献
http://www.nature.com/nature/journal/v517/n7534/full/