緑内障患者、早期発見への可能性が広がる?
テレビを見る際の目の反応で緑内障を発見できうることが、シティ大学ロンドン(City University London)の研究によって分かりました。
研究者らは、患者の目の動きを解析・分析することで約80%の正確さで緑内障患者を見分けることができたと発表しています。
日本での失明原因、第1位・・・緑内障とはどのような病気か
緑内障は、脳に伝達する視神経に障害が起こり、見える範囲が狭くなる病気で、治療が遅れると失明に至るケースもあるのです。さらに、緑内障の恐ろしい点は、進行が極めて遅いため、病気がかなり進行するまで自覚症状がほとんどないことなのです。
10人に1人の割合で誤診?
デヴィッド・クラブ教授が率いる研究チームでは、年配の人で健康な視力の32人と緑内障患者44人を比較しました。
患者らはコンピューターでテレビや映画の数カットを見せられ、その間、視線追跡装置が全員の目の動き、特に彼らの視線がどの方向に向いているかを記録しました。その結果、彼らの79%が緑内障であることが明らかになりました。健康な人の10人に1人が誤った診断をされている確率になると指摘しています。
新たな臨床検査開発へ期待
前述のクラブ教授は、次のようにコメントしています。
「同結果は初期段階のものですが、テレビの見方を観測することで緑内障患者を見極められることが分かりました」(プレスリリースより引用)
また、クラブ教授らの研究に資金援助を行う団体「Fight for Sight」のディレクター、ドロレス・コンロイ(Dr. Dolores Conroy)博士は、今回の研究結果が、緑内障に対する新たな臨床検査開発への道を開いたと語っています。
世界的にも失明疾患の上位を占める緑内障。クラブ教授らの研究結果が、今後大勢の緑内障患者の早期発見につながることに期待したいですね。

City University London
http://www.city.ac.uk/news/2014/nov