iPhone アプリを使って目の内部を撮影
今やスマートフォンの技術は、持ち運び可能な目の内部を撮影できる有効な手段としても利用できることが明らかになりました。
同内容を発表したのは、ニューヨーク州立大学バッファロー校のロス アイ インスティテュート(Ross Eye Institute )研究チームです。
彼らは、iPhone アプリを使って目の内部を撮影することに成功し、その研究結果をアメリカ眼科学会2014(the American Academy of Ophthalmology)で発表しました。
研究チームが使用したiExaminerとは?
研究チームが使用したのは、iExaminer というスマートフォン用のシステムとiPhone。
同システムには、パンオプティック検眼鏡(目の内部を検査するライトの付いた器具)と検眼鏡をiPhoneに取り付けるアダプターが付いており、それによって画像や動画の撮影ができるというもの。
瞳孔を開かせずに眼底の状態を記録
研究チームらがiExaminerを使用して撮影したのは、入院中の小児患者ら28人の 網膜や視神経の状態でした。
同システムを使用すれば、必ず必要とされる散瞳薬(瞳孔を開かせる薬)なしでも、眼底の重要な構造を撮影でき、さらに関連アプリを使用すれば、データの記録、保存、移動も可能になるのだといいます。
遠隔操作による診療が可能に?
「このシステムは眼科医だけでなく、内科医、病院、開業医にとっても有益である可能性があります」(プレスリリースより引用)
こう話すのは同研究チームリーダー、ジャシー・ディン(Jiaxi Ding)氏。
その理由は、瞳孔が開いていない状態でも即座に眼底の画像や動画が記録できる点にあるのだそう。そのため、遠隔操作による眼科医の診療や、患者は一般的な手順を踏むよりも迅速に予備的な治療順序のアドバイスが受けられる可能性があるともコメントしています。
ニューヨーク州立大学の研究チームが発表した成果は、今後、寝たきりの方の診察や、より高いレベルの在宅医療の提供につながるのではないでしょうか。
(画像はイメージです)

American Academy of Ophthalmology プレスリリース/Eurek Alert
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-10/aaoo-ife101714.php