100人の高齢者を集めた介入試験
2014年10月15日、イエール公衆衛生大学院(米:Yale School of Public Health)の研究者は高齢者に年齢を肯定する画像を見せると身体能力が改善し、その効果は数週間続くことを明らかにしたと発表しました。
(画像はイメージです)
研究内容はPsychological Scienceに10月17日からオンライン版で公開されています。
研究内容
今回の研究は新しい介入方法により、年齢に対する否定的な決まり文句(ステレオタイプ)を弱め、健康状態を上昇するかを検討しました。
この研究に登録された高齢者は100名(平均年齢81歳)。高齢者は年齢に対する肯定的な決まり文句(spry:活発、creative:創造的)を認識できないぐらいの速度でコンピュータ画面に表示されたものをみました。
認識できないぐらいの速度で、言葉や画像を見せる方法はサブリミナルと呼ばれています。
コントロールとしてサブリミナルな言葉を表示することなくコンピュータ画面をみてもらいました。
その結果、バランス感覚などの身体能力が上昇することが分かりました。身体能力の上昇はコントロール群では生じませんでした。
この効果は3週間持続したとのことです。
サブリミナル効果
サブリミナル効果とは、潜在意識に刺激を与えることで表れるとされている効果。
具体的には、目では追えない短い時間で言葉や画像を見せること。
サブリミナル効果は映画館でポップコーンを食べろというメッセージをサブリミナルに流したところポップコーンの売り上げが上がったという話が有名ですが、サブリミナル効果を実際に実証した報告はありません。
テレビでサブリミナル効果があるような画像を使うことは禁止されています。
今回の効果は健康のためにサブリミナル効果を利用したもので、研究に登録された例数とコントロールとの比較試験であることから、サブリミナル効果は実証されたと想定されます。

イエール公衆衛生大学院 プレスリリース
http://news.yale.edu/2014/10/15/positive-subliminal-messages