ゼブラフィッシュの水晶体上皮の経時的観察(タイムラプス観察)
2014年10月16日、沖縄科学技術大学院大学の研究グループはゼブラフィッシュの水晶体の細胞増殖過程をタイムラプス観察により明らかにしたことを発表しました。
(画像はプレスリリースより)
この研究成果はBiology Openに9月26日からオンライン版で公開されています。また、印刷版の10月15日号で表紙に取り上げられています。
研究内容
水晶体はカメラのレンズの役割を担っており、網膜に像を結ぶ際のピントの役割を担っています。
水晶体の細胞増殖がどのように制御されているかを検討するために、個々の細胞が細胞周期のどの時期にあるかを厳密に追跡する方法として、ゼブラフィッシュの遺伝子に特定の生物周期で異なる色を示す遺伝子を組み込みました。
(画像はプレスリリースより)
この結果、細胞の分裂細胞は水晶体上皮のどの位置にあるかということで影響を受けていることがわかりました。
さらに細胞接着分子Eカドヘリンが上皮細胞の形状に影響を及ぼし、結果として細胞の分裂方向の空間的分布パターンを制御することも発見しました。
今後の展開
水晶体上皮における細胞分裂と細胞の形態パターンを初めて明らかにしたものです。
水晶体がどのようにその形態を獲得し維持するかについて理解する手がかりになると考えられます。
さらに、近視や乱視など眼の異常の解明につながる可能性に期待しているとのこと。
この研究成果は三次元の組織の変化をタイムラプス観察したものです。厚みの変化するものをピントのずれなく映像として残すことができる画像技術の進化に支えられています。

沖縄科学技術大学院大学 プレスリリース
http://www.oist.jp/ja/news-center/news/2014/10/16/16957