リンカン大学の研究で明らかに
口と目の大切さを強調したゲームによって、子供でも他人の感情をより認識できることが、英国リンカン大学の認知神経科学者らによる調査で分かりました。
(画像はイメージです)
他人の感情を判断するのは目と口
同大学の認知神経科学者であるペトラ・ポラックス博士は、人間が顔の表情をどのように認識し処理するのかは、他人と関わる能力において大きな役割を果たすと話しています。
ある部屋へ入ると、人は誰でもが即座に周囲を見渡し人々の顔の表情から単純に、何かが起こっていると理解し、さらに、他の人を見るときには、眼に対する絶対的な先入観とともに目と口に集中する傾向が高いのだともコメントしています。
どのような実験なのか
実験は次のように行われました。
「ちょっとしたほほえみ」から「満面の笑み」に至るまで、顔の表情が伝わる、様々なレベルの画像を見せ、どれが正確な感情かを尋ね、答えを間違えると警告音がなるというもの。
実験で使用した画像は幸せ、悲しみ、恐怖をデジタル加工したもので、子供と成人で感情を認識する能力が精査、比較されました。両者とも特別な視線追跡装置がつけられ、彼らの凝視パターンをモニターすることで、視線が顔のどのパーツに最も集中しているのかを測定したのだそう。
より目を見るのは子供・・・大人は悲しい表情の時のみ眼に集中
初期段階では、子供は成人に比べてそれほど頻繁に目を見ることはなく、より長い時間、口を見ている傾向が高かったそうですが、子供も成人も実験が経るにつれ、目を見る時間が増えていったといいます。
しかしながら、大人が長く目を見るのは悲しい表情の時だけという特徴も見られました。
さらに子供はトレーニングを通し、3つの表情すべてにおいて目に長く集中するようになり、正解率も上昇しました。
子供は早い段階で顔から人の感情を読む能力を身につけている
同教授は、「成長過程において、顔の表情を読み、理解する能力は、極めて重要な能力であり、非情に早い段階で始まる」とコメントしています。
自閉症や認知発達障がい者へのトレーニングに?
研究チームでは、同調査結果が自閉症や認知発達障がいなど、顔の表情から他人の感情を読み取ることに困難を抱えた人々のために、訓練プログラムとして活用できることを期待しているのだそうです。

Science Daily
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140924085121.htm