抗菌・除菌剤用高分子コロイド
2014年8月21日、三井化学ファインは抗菌・除菌作用をもつ高分子コロイドの発売を発表した。
(画像はプレスリリースより)
低分子の抗菌剤とは作用機序が異なることから、多剤耐性菌にも有効である。
高分子コロイドの抗菌作用は細胞壁に高分子コロイドが付着し、細胞壁の成長を不均一として、細胞壁の成長が遅い部分に細胞の内圧がかかり、あたかも風船が割れるように細胞が自己融解を起こす。
このメカニズムは、高知大学の城武 昇一教授が考案したもの。教授は「原子間力顕微鏡による可視化技術」を用いた動画撮影でメカニズムを可視化した。
(動画はプレスリリースより)
高分子コロイドの特長とその応用
従来の消毒剤のメカニズムは細菌内の酵素を阻害することで効果を発揮しています。細菌はその酵素を利用しない生存形態を手に入れることで耐性化する。高分子コロイドは物理的な作用により、細菌が耐性化することは0に近い。
高分子コロイドは揮発することがなく、塗布しても安定してとどまる。また、室温で3年間抗菌活性が低下しないことが確認されている。一般生活環境において抗菌・除菌用原料としての応用を期待している。
多剤耐性菌による医療機関内の院内感染の予防、公共施設に対する効果的な感染防止に対して、高分子コロイドの応用が可能。

三井化学ファイン プレスリリース
http://www.atpress.ne.jp/view/49976