瞬きの頻度
普通の状態での瞬きの頻度には大きな個人差があります。1分間に数回という人から40回以上の人もいます。
パソコンやスマートフォンの画面を見つめていると、瞬きの回数が減り、目を潤している涙が乾くことから、乾燥感につながり、夕方ドライアイという症状を示すことがあります。
瞬きは神経伝達物質であるドパミンを摂取すると増加します。このことから、ドパミンが瞬きを増やすと推定されていますが、ドパミンの受容体の遺伝子多型では瞬きの差は説明できませんでした。
大阪大学は、京都大学と共同でニコチン受容体の遺伝子多型が瞬きの個人差を反映していることを発見しました。
研究成果は、2015年3月2日から、Scientific Reportsのオンライン版で公開されています。
研究内容
ニコチン受容体の遺伝子多型を有する人47名と、そうでない人57名の瞬目率を測定したところ、ニコチン受容体の遺伝子多型を有する人で瞬目率が上昇していることが判明しました。
ニコチン受容体はドパミン神経の活動を調節していることから、ドパミン投与による瞬目率の上昇とも矛盾しません。
研究の応用
ニコチン依存症は、喫煙によるニコチン依存症のなりやすさと関連することが知られています。
遺伝子多型の診断は、血液検査により行うことができますが、高価な検査になります。
ニコチン依存症のなりやすさをニコチン受容体の遺伝子多型から検討するために、瞬目率を簡便なバイオマーカーとして利用できる可能性があります。
(画像はイメージです)

大阪大学 プレスリリース
http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2015/20150302_1