新たなスタイルの治療薬誕生か?
将来、点眼薬は的に別の形に変わるかも知れません。
米テキサス州ヒューストンにあるベイラ-医療大学(Baylor College of Medicine)の、Ghanashyam Acharya博士率いる研究チームが、これまでにない眼球損傷用治療薬を開発しました。
点眼薬は効率が悪い?
研究チームによると、長年、眼球の損傷治療に用いられてきた点眼薬はあまり効率がよいとはいえないと指摘しています。
1日に大抵数回使用する点眼薬は、必ずしもきちんと目の中に入るわけではなく、瞬きや涙によって流れてしまうことがあるというのがその理由です。さらに同様の方法では点眼自体を忘れたり、炎症や視覚のぼやけなどといった副作用のリスクも高まったりするのだそう。
この問題に取り組むべく様々な角度からアプローチを行ってきた研究者らは、ついに透明の丸いフィルムを開発しました。
超小型コンタクトレンズのような薬
新たに開発されたのは、高分子のナノシートを用いた治療薬。同シートはコンタクトレンズのような丸形の透明フィルムで、サイズはその約10分の1。
1日1回の使用で薬剤が目の中に広がる
フィルムには小さなポケットが埋め込まれており、その中の薬剤が時間とともにゆっくりと放出され、フィルム自体も完全に分解されるのだといいます。使用回数も1日に1回で効き目があるといいます。
マウスを用いた実験では、ナノシート型の薬剤は点眼よりも2倍の効き目があり、副作用につながる炎症なども引き起こしはしませんでした。
ドライアイや緑内障治療にも適用?
研究チームは、ナノシート型の治療薬は点眼薬よりも効果が高いため、より早い回復につながるとレポートしています。今後は、眼球の損傷だけでなくドライアイや緑内障などの症状にも使用可能であると結論づけています。
(画像はニュースリリースより)
BAYLOR COLLEGE OF MEDICINE
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