鼻腔内に設置して涙腺神経を刺激する装置
ドライアイに対して、神経を刺激して涙を出させるデバイスがアメリカで臨床試験が行われている。
開発の経緯
スタンフォード大学には医療技術の革新と開発に関する実務講座Stanford Biodesignがある。
新しい技術やデバイスを用いてアンメットな医学的必要性に対して解決することを目指している。
その中から出てきたのが、今回のデバイス。このデバイスの実現性が確認されたところで、Oculeveという会社が設立され、臨床開発が開始された。
ドライアイ
涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下したりすることによって、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼ぶ。
日本では約800~2,200万人の患者がいるといわれ、オフィスワーカーの3人に1人がドライアイという報告もある。
治療には、色々な作用機序の点眼薬が使われている。涙の排出部分に涙腺プラグという一種の栓をすることにより、涙の量を増やす方法も認められている。
長時間のVDT作業は、瞬きの回数の減少等によるドライアイ症状の原因となることから、ドライアイの悪化要因とされている。
涙は角膜に対して、水分を補給するだけでなく、栄養も補給することから、ドライアイを放置すると角膜障害のリスクが高まる。
Oculeve
会社名とデバイス名は同じ、Oculeve。現在臨床開発中のデバイスは鼻腔内に設置して、電気刺激により、涙腺神経を刺激して自然な涙液量をまし、ドライアイを改善するというコンセプトで開発が行われている。
臨床試験の目的はドライアイの患者に対する安全性と効果の探索。
2014年12月試験開始で、最終患者の全てのデータが出そろうのは2015年の5月を予定している。目標症例数は40例。
(画像はプレスリリースより)

Stanford Medicine News
http://med.stanford.edu/news/all-news/2015/01/Evaluation of the Safety and Effectiveness of the Oculeve Intranasal Lacrimal Neurostimulator in Patients With Dry Eye
https://www.clinicaltrials.gov/ct2/