失った視力をもう一度
目に電極アレイを手術で埋め込み、眼鏡にワイヤレスカメラを取り付けて、失われた視力を取り戻すという『未来の技術』で、孫の顔を見ることを希望にしている1人の男性がいます。
「AFPBB News」によると、ギリシャ生まれでアメリカ電気技師の72歳エリアス・コンスタントプロスさんは、自身の視力低下に気づいたのは43歳のころ。医師から告げられた病名は「網膜色素変性症」。遺伝性の失明疾患は10数年をかけて、エリアスさんの視力を徐々に奪っていきました。
部屋の中を歩けるように
2009年に医師から勧められた『未来の技術』は、米カリフォルニア州の企業“Second Sight(セカンドサイト)”が開発した
【Argus II(アーガスII)】で、脳・脊髄・神経を刺激することで、失った視力・聴力・体を動かす能力を取り戻すことを目標とした「neuromodulation(ニューロモジュレーション)」という研究分野で開発されました。
まだ改善の余地がある装置とのことですが、コンスタントプロスさんは通り過ぎる車を光の塊として見ることができ、暗いところでは明るい色の物体を見分けることができるそう。まだ孫の顔を見ることはできないとのことですが、希望を失わずに前向きな人生を送っているようです。
“Second Sight社”は今後、米食品医薬品局(FDA)に人道機器適用免除の申請を行って2012年内の承認を目指し、いずれは「黄斑変性症」患者への提供も視野に入れています。

AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/
science-technology/2794078/7038670