盲目の歌手、毎年一頭ずつ盲導犬を寄贈
昨年3月この世を去るまでに、合計23頭の盲導犬を寄贈し続けた演歌歌手の井上わこさん。
彼女の遺志を家族や支援者が引き継ぎ、3月4日、24頭目となる盲導犬が、大阪府の運送会社社長、石川勇さんに贈られた。
井上さんは34歳のときに交通事故の後遺症により視力を失った。自殺未遂を起こすなどの自暴自棄に陥るも、歌との出会いをきっかけに生きる力を取り戻す。演歌歌手として再出発し、歌手活動の傍ら昭和63年より盲導犬を毎年1頭ずつ贈り続けてきた。
地道な努力重ね、盲導犬普及活動に強力
中国新聞の記事によると、昨年3月に亡くなる前まで病床で「活動を続けたい」と話していたという。24頭目となる盲導犬は3歳の雌で、名前はグレア。この日、広島市のホテルで営まれた井上さんの一周忌法要に合わせ、贈呈式が開かれた。
井上さんは、盲導犬の普及活動を通して全国の大勢の協力者たちと触れ合い、「見えないことは不自由なだけで、不幸ではない」と思い至るようになったという。
広島市は井上わこさんの偉業を称え2003年、第1回目の市民賞を贈った。

中国新聞
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